腰部ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症は、どちらも腰痛や神経症状を引き起こす腰部の疾患ですが、その原因と症状が異なります。
腰部ヘルニアは、腰椎間板の外側の軟骨が破れ、その中から核と呼ばれるゼリー状の物質が漏れ出すことで起こります。この核が神経に圧迫され、腰痛や坐骨神経痛、足のしびれなどの症状が現れることがあります。
一方、腰部脊柱管狭窄症は、腰椎間板や脊柱管周囲の組織が変性し、脊柱管内を通る神経や神経根が圧迫されることで起こります。腰痛や坐骨神経痛、下肢のしびれや弱さ、歩行障害などの症状が現れることがあります。
したがって、腰部ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症は、どちらも腰痛や神経症状を引き起こす腰部の疾患であるが、その原因と症状が異なるため、正確な診断が必要です。治療法も、症状や状態に応じて異なります。
脊柱管狭窄症の人は、腰を反らせると脊柱管内の圧力が高まり、神経症状が悪化することがあります。そのため、腰を反らさないようにすることが望ましいです。
腰を反らさないためには、以下のような姿勢や運動が有効です。
- 直立した姿勢を保つ:座るときや立つときに、背筋を伸ばして直立した姿勢を保ちます。反らないように注意。
- 低負荷の運動を行う:歩く、水泳、ストレッチ、軽い筋力トレーニングなど、低負荷の運動を行い、筋肉を強化して脊柱を支えるようにします。
- 過度な負荷を避ける:重い荷物を持つ、長時間同じ姿勢でいるなど、脊柱に過度な負荷をかける行為を避けます。
腰を反らさないようにすることで、神経症状の改善や悪化を防ぐことができます。ただし、症状が進行している場合は、適切な治療を受けることが重要です。
一方、腰部ヘルニアの場合は、腰を反らすことが一時的な痛みの緩和につながる場合があります。腰を反らすことで、ヘルニアが圧迫していた神経が圧迫を受けなくなり、痛みが軽減されることがあります。
腰を反らすエクササイズの代表的なものにマッケンジー体操があります。
マッケンジー体操は、ニュージーランドの物理療法士であるロビン・マッケンジーが考案した、腰痛や腰部ヘルニアの治療に用いられるエクササイズや姿勢法の総称です。
マッケンジー体操は、主に腰痛や腰部ヘルニアの治療に使用されますが、肩や首、膝などの関節痛やスポーツ障害の治療にも効果があるとされています。
このエクササイズは、脊柱や神経を正しい位置に戻すためのストレッチや、正しい姿勢を維持するための筋力トレーニングを行うものです。ただし、マッケンジー体操は、症状の程度や原因によって効果が異なるため、個人差があります。痛みが強い場合や、効果が見られない場合は、専門家の指導のもとで治療を受けることをおすすめします。