変形性膝関節症は文字通りひざ関節が変形する病気です。ひざ周囲に痛みが生じる高齢者の代表的な病気で、男女比でいううと女性に多いですが、当院には多数の男性患者様も来院されています。原因は膝関節表面にある軟骨が少しずつすり減ることで、まず軟骨が減りO脚になり、膝が伸びきらなくなったり、膝が曲がりにくくなってきます。進行していく病気のため、関節の変形や症状が徐々に出現します。血管が通っていないないところは人の体は元に戻りません。したがって一度すり減った軟骨は自然に治ることはありません。
病気やけがなどの明らかな原因のない「一次性変形性膝関節症」と、先天異常、代謝性疾患、外傷(膝の骨折や靭帯・半月板損傷)後など原因が明らかな「二次性変形性膝関節症」があります。多くは、年齢とともに膝関節に負担がかかり軟骨がすり減る「一次性」です。
上記は左足を前から見たイラストです。脛骨(けいこつ)と大腿骨(だいたいこつ)がぶつかるようになりすり減ってきます。今現在、軽度の軟骨のすり減りに対する再生医療が少しづつ普及してきましたが、費用が200万円ほどします。当院の患者様も再生医療で可動域が変化したり、夜間痛が消失した方がいる一方、変形が強く効果が全く無かった患者様もおり、個人により治療効果に差があるようです。再生医療は非常に有効ですが、あくまで変形初期、軽度の状態、軟骨がある程度残存しているひざ関節のみに効果が望める治療法だというのが個人的印象です。
変形性ひざ関節症へのアプローチ/天白接骨院のひざ関節テクニック
ひざが悪くなったら、一刻も早くケアをし始めるのが大切です。そしてひざのケアは、ひざ周辺のマッサージだけをしても良くなりません。ひざは股関節と足首に挟まれていて、この二か所+骨盤・腰椎の影響を強く受けます。
※上記イラスト頸骨は誤字、正しくは脛骨(けいこつ)です
ひざ関節は体の使い方、アライメントの結果として「ねじれ」や「不自然な負荷」がかかり変形していきます。滑らかなひざ関節を取り戻すにはひざ関節のみでなく体全体の不具合を治すのが重要となります。そのなかでも特に骨盤にある仙腸関節、腰と骨盤をつなぐ腰仙関が大切です。
変形性膝関節症に対する当院の包括的治療アプローチ:
- 全身の関節連鎖を考慮した治療:
- 膝関節だけでなく、腰、骨盤、股関節、足首など、下肢全体の関節を包括的に評価し治療します。
- 体の各部位が相互に影響し合う「関節連鎖」の概念に基づき、全身のバランスを整えます。
- AKA療法(関節運動学的アプローチ):
- 各関節の最適な動きを促進し、力学的ストレスを軽減します。
- 膝関節を中心に、周囲の関節も含めた総合的な機能改善を目指します。
- 筋肉と軟部組織へのアプローチ:
- ストレッチ:全身の筋肉の柔軟性を向上させ、関節の可動域を改善します。
- マッサージ:緊張した筋肉をほぐし、血行を促進します。
- 個別化された総合治療計画:
- 患者様の症状、生活様式、身体特性に応じて、全身の関節と筋肉のバランスを考慮した治療計画を立案します。
- AKA療法、ストレッチ、マッサージなどを適切に組み合わせ、全身的なアプローチを行います。
- 長期的な効果と予防:
- 膝関節症の症状改善だけでなく、他の関節の機能維持・向上も図ります。
- 全身のバランス改善により、将来的な関節トラブルの予防も目指します。
- 患者様へのセルフケア指導:
- 日常生活での姿勢や動作の指導を行い、関節への負担を軽減する方法をお伝えします。
- 自宅でできるストレッチや簡単な運動を指導し、継続的なケアをサポートします。
この包括的なアプローチにより、膝関節症の症状改善だけでなく、全身の機能向上と健康維持を目指します。各関節の相互作用を考慮することで、より効果的で持続的な改善が期待できます。