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反り腰とは何なのか
反り腰は腰が反っている状態。しかし、腰の部分は反っているのが正常です。
では、どこからが反っていて、どこからが正常なのか知っていますか?
腰には5つ骨があり、一番上の骨の延長線と仙骨の上の延長線の交わる角度を前弯角と言います。
おおよそ45°とされていますが、文献によりかなり差があります。三谷らによれば男性約33.2°、女性約40.7°でかなり性差も大きいいようだ。(女性の方が反っているという事)
おおよそではあるがこの角度が60度を超えてくる腰椎は反り腰と言って良いのではないかと思います。
この腰椎の前弯は、四足動物から二足歩行へと変わる過程で得た角度です。10歳前後でこの前弯は完成します。
体幹筋力と前弯角度を調査した論文では、腹筋と背筋との強さバランスが崩れ、背筋強いほうが反り腰が強くなる傾向にあります。
したがって、反り腰の人は腹直筋のトレーニングは必須だが、腹直筋のトレーニングを行っても反り腰に変化は出ないケースはよくあります。というか、まず変化は出ません。多くのパターンで、太ももの前の筋肉(大腿直筋)、ふくらはぎの筋肉(ひふく筋・ヒラメ筋)がかたくなっており、腹直筋のトレーニングに加え、固くなった下肢の筋肉を緩める必要があります。
反り腰のセルフチェック
背骨は3か所をメインにカーブしている。
- 頸椎(首)→前が凸になるようにカーブ(前弯)
- 胸椎(胸郭)→後ろが凸になるようにカーブ(後弯)
- 腰椎(腰)→前が凸になるようにカーブ(前弯)
この腰の部分がが弓のように反っている状態。
通常はレントゲンで角度を計測することは不可能なので体表からチェックします。セルフチェックも可能です。
- 仰向けで寝た時に手が腰の下に簡単に通る
- 壁に背中をつけて立った時に腰の部分を手が簡単に通る
上記内容とは別に骨盤の傾きにより反ったり、倒れたりすることもあります。
PSISがASISに対して指2.3本高いのが正常な骨盤の位置だとされている。したがって指4本分も開くのであれば骨盤が前に倒れています。逆に1本分しか高さが違わないなら後ろに倒れていると考えられます。
気を付けなければいけないのは、骨盤が前に倒れているからと言って腰椎が反るとは限らないことです。これはイコールではない。腰椎のカーブは正常、もしくはフラットバックだが骨盤だけ前傾しているケースもあるので一般的な話に縛られないようにしないといけません。
参考文献
鈴木他「立位における腰椎、骨盤、下肢の矢状面上のアライメントパラメーター間の関係」2016年昭和学士会誌第76巻第6号(698-705)
千葉他「腰椎前弯角と身体機能因子の関係性の検討」Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
González-Gálvez N, Gea-García GM, Marcos-Pardo PJ. Effects of exercise programs on kyphosis and lordosis angle: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2019;14(4):e0216180. Published 2019 Apr 29. doi:10.1371/journal.pone.0216180
景山他「足関節背屈可動域および骨盤可動性がしゃがみこみ動作に及ぼす影響について」日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 24 No. 2, 2016.