産後ママの不調

腰痛・骨盤痛

最も多いのが腰や骨盤帯痛です。産後の不調の一番多い疾患です。ちなみに帝王切開で出産した女性は自然分娩より腰痛・骨盤帯痛が多くみられます。

骨盤とは足と胴体の間にある骨で、背中側の①腸骨、前の②恥骨③坐骨(ざこつ)からなります。これら3つの骨は互いにくっつき、寛骨(かんこつ)になります。骨化の中心的な時期は、主に思春期から出現し、15〜25歳の間に癒合します。

股関節:寛骨の外面中央部の寛骨臼(かんこつきゅう)に太ももの骨がくっつきます。

仙腸関節:後ろ側では仙骨と関節で結合しています。

恥骨結合:また、左右の寛骨は、恥骨の前で線維軟骨によって連結しています。

仙腸関節と恥骨結合は、通常は2ミリ程度しか動きませんが、妊娠〜出産にかけて緩み、グラグラになります。

腰痛、骨盤痛と言っても原因は様々です。じん帯が緩んでグラグラになり仙腸関節に痛みが出る場合、グラグラで不安定のため、腰の筋肉が張り腰痛を引き起こすケース、妊娠中に反り腰になり腰痛を引き起こすケースなど様々です。仙腸関節に過度の動きを伴う動作、左右非対称性を増大させる動作は、運動によりさらに関節の弛緩、疼痛を誘発する危険性があります。

肩こり

産後の授乳や不眠により肩こりになります。

おっぱいを赤ちゃんに上げている時の姿勢は猫背になり、首は下を向き、どうしても肩こりになってしまいます。

血流が低下し、肩こりが慢性化するため、やる気や活力が失われてしまいます。イライラする原因にもなり、生活の質を下げてしまう重大な疾患です。

残念ながら、肩こりのツラさを、周囲に理解してもらえないママも多いです。私は産後うつの原因の一つだと考えています。

お子様と過ごす大切なお時間を元気に過ごせるよう、ぜひ施術にお越しください。

施術は、不良姿勢により固まった関節の調整後、筋肉をほぐしていきます。

授乳トラブル

血流不足から母乳の出が悪くなる場合、体の調整をすることで改善します。

当院では、背骨や頚椎を緩めたあと、肋骨の動きが出るように調整していきます。

基本的には肩こりに対する施術と似ていますが、より胸郭の可動性を高める施術となります。

胸を広げれるようになることで母乳の出が良くなります。

当院の施術と、かかりつけの助産師さんなどの母乳マッサージ等と併用していただくと効果がより高くなります。

腱鞘炎(けんしょうえん)

産後に限らず妊娠中も腱鞘炎になります。腱はトンネル(鞘/さや)の中を走っています。そのトンネルに炎症が起きるのが「けんしょうえん」です。反対に腱が炎症を起こしてトンネルの通過障害を起こすのが「ばね指」です。

腕の筋肉や、手根骨といって手の骨の調整も必要ですが、当院では首や背骨から整えていきます。ハイボルテージ療法が有効なケースも多々あります。

また、栄養面も非常に大切です。

腱や腱鞘はコラーゲンでできており、コラーゲン繊維はタンパク質、鉄、ビタミンCで合成されます。妊娠中や出産後の女性は鉄不足により貧血になっているケースが多々見られます。鉄だけ補給すれば治る、というわけではありません。鉄・ビタミンC・タンパク質のすべてをバランスよく摂取しましょう。

抜け毛

出産した女性のほとんどが抜け毛を経験します。私の妻も産後に抜け毛を経験し、その量に驚きました。

産後直後から始まり、4-6か月が抜け毛のピークとなる場合が多いです。

原因はホルモンバランス栄養不足ストレスです。

髪には毛周期と言いサイクルがあります。

妊娠中の女性はエストロゲンと言い女性ホルモンの分泌が増加します。エストロゲンの中のエストラジオールがヘアサイクルの成長期を延長させています。出産後、エストロゲンの分泌量が正常に戻ることにより、成長期→休止期になった毛が大量に抜けるのです。

これはあくまでも自然な現象です。

しかし、②と③の「ストレスの軽減」や「栄養補給」をしっかりすることで抜け毛を減らすことが可能です。

抜け毛を減らすのに有効なヘッドセラピー

抜け毛を減らすのに頭皮のマッサージがとても有効です。ストレスの緩和、睡眠不足の解消、血流の上昇など良いことずくめです。

当院では、完全個室で女性セラピストによるヘッドセラピーを受けていただけます。料金30分3,000円/50分4,500円詳しくはこちらからどうぞ

固まった頭皮のコリをほぐしていくことで視界もクリアになります。ぜひご利用ください。

また、産後は授乳により栄養が失われています。髪のほとんどがタンパク質からできているため、たんぱく質の摂取は必要不可欠です。出産前の体重に戻そうと食事制限するお母様もいますが、母体にも赤ちゃんにもマイナスです。エクササイズなどを少しずつ始めることで、少しずつスリムになっていきましょう。

恥骨結合離開

骨盤のズレと呼べるケースがあります。恥骨結合離開です。

かなりの痛みで歩行困難なほどの事もあります。

恥骨結合は滑膜性関節で関節円板を介してつながっており、通常はその動き非常に限定されています。恥骨結合離開は通常2‐6mmであり妊娠末期に7-10mmになります。10mm以上で恥骨結合離開と診断されます。発生率は0.26%とまれです。1)

産後の恥骨結合離開では、離開しているのにボキボキ鳴らしたり、過度なストレッチしたところで離開は広がってしまうので禁忌です。基本的に治療院でなく病院で治療すべき疾患です。

治療方法は、恥骨を近づけてベルトで固定するのが一般的です。全く変化がない場合、恥骨や腰椎がずれたまま固定していることが考えられます。その場合当院では、細心の注意を払い、骨盤や腰椎の捻じれにアプローチします。

妊娠中は、ホルモンの作用で骨盤を固めている靭帯や、仙腸関節と恥骨結合に緩みが出ます。赤ちゃんの通り道を広げるわけです。
そしてそれが妊娠中の腰痛を引き起こす原因の一つになっています。この緩んだじん帯は産後1ヶ月程度で元に戻ります。恥骨結合離開は、離れた恥骨が戻らなくなってしまう状態です。
そこにボキボキッと強烈な圧をかければ治るどころかダメージを与えているだけです。せっかく戻ろうとしているじん帯をまた強制的に引き延ばす、すなわち「ねん挫」を生じさせることになります。

左は前から、右は後ろから見た図

リスクファクター初産、双胎妊娠、経膣分娩です。

産後の恥骨結合離開では、離開しているのにボキボキ鳴らしたり、過度なストレッチしたところで離開は広がってしまうので禁忌です。

腹直筋離開

腹直筋離開は、腹直筋の腹部正中線上における離開であり、臍上または臍下の腹直筋を触診し、約 2 横
指または 2cm 以上筋腹に離開がみられる場合は深刻な問題となります。

腹筋群は分娩まで伸張されてしまいます。

妊娠後期に出現が最も多く、産後も認められます。自覚症状としては腰背部痛、仰臥位から坐位への姿勢変換が困難なこと等があ
ります。

腹直筋離開は腰椎または骨盤の不安定性、骨盤底筋群の弱化と関連があります。

治療は体幹、特に腹部の筋力増強を行ういます。

尿もれ

妊娠中、胎児の成長に伴い増大する子宮に膀胱は圧迫されます。

また、骨盤底筋群は増大した子宮を支持するため伸張されやすくなります。

尿管は拡大・延長し、尿の滞留が起こりやすく、尿路感染症や、骨盤底筋群の弛緩により腹圧性尿失禁を生じやすくなります。
 分娩時に赤ちゃんの頭の圧迫等による膀胱粘膜の障害や、膀胱尿道の支配神経の麻痺のため、産後の排尿障害、尿路感染症等の異常が発生しやすくなります。

産後に生じる尿失禁は分娩による骨盤底筋群の弛緩、会陰裂傷等が影響します。

骨盤底筋群トレーニングは、妊娠中の尿失禁の予防や改善だけでなく、産後の尿失禁発症を軽減させます。

ご家族の方へ

転んでしまうリスク大

妊婦さんの転倒する確率は高齢者の転倒数と同じだけ多くなります。妊婦さんの歩き方の特徴として、歩行周期の片足になった際、赤ちゃんの重みで骨盤を水平に保てず、つまずくためです。※歩行周期とは片足で立ち、もう片方は宙に浮いている状態のサイクルです。
また、立ち上がり時にもバランスを崩しやすくなります。

必ず手支えてあげるなどの補助をしてあげてください

産後うつと軽度な運動


 妊娠中の全身運動は、呼吸循環器系の健康、尿失禁と腰痛の改善、うつ状態の軽減等に関連し 23)、普通分娩を増加させ、帝王切開や分娩吸引分娩、鉗子分娩を減少させると言われる 、

妊婦に適した運動の指標は有酸素運動を最大酸素摂取量 70%以下、 心拍数 150bpm 以下(連続運動の場合は自覚的運動強度「やや楽」以下)である。2)この運動を平坦な場所で、1 回 60 分以内を週2~3回、子宮の日内変動を考慮し 10時~ 14時に実施することが望ましいとされる。
また、分娩の進行のうち娩出期では、胎児を押し出すために腹筋と横隔膜の随意収縮による腹腔内圧の上昇と、骨盤底の弛緩と伸張が必要であるため、出産の準備としての運動指導を行うと良い3)

特に妊婦の場合、予測不可能な出血や分娩のリスクが高いため、より注意を要し、リスク管理を徹底する。

あおむけのリスク


妊娠後期では、背臥位になると増大した子宮の圧迫により下半身からの静脈還流が阻害され心拍出量が減少し、動脈血圧が
低下する仰臥位低血圧症候群を生じることがあります。

子供の数とリスク

子供が多い(多産)と腰痛や骨盤底機能障害(子宮脱)のリスクが高くなります。

兄弟の年齢が近すぎる(年子)場合は、前回の出産後に身体機能の回復が不完全な状態で次の子供を妊娠している可能性があります。

反対に兄弟の年齢が離れている場合も、前の出産と比較すると高齢出産となり、加齢に伴う身体機能の低下が推測されます。

双子の場合は、通常の妊娠・出産と比較すると、妊娠中の切迫早産による入院措置、帝王切開による分娩、出産後の育児も母親自身の身体への負担が多くなります。

参考文献

1)中部日本整形外科災害外科学会雑誌/62 巻 (2019) 2 号/骨盤創外固定で治療した出産に伴う恥骨結合離開の1例高須 厚他

2)「妊婦スポーツの安全管理基準」

3)「理学療法の臨床と研究 」(27:15-20,2018)平元奈津子

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鈴木

国家資格【柔道整復師】1985年生/男児二人の父。AKA療法を駆使して体の痛みの根本にアプローチ。プロスポーツ選手のケア実績多数。慢性的な肩こりや腰痛で苦しむ方は非常に多いのに、病院では相手にされない方が多いのが現状です。痛みや不調の治療に日々全力を注いでいます。お気軽にお問合せください。