
「タンパク質ってなに?」なんて今さら聞けない・・・そんなあなた!
もしくは、プロテインを飲むことを考えているあなたに、タンパク質についての基本を解説します
まずプロテインという言葉の意味ですが、プロテインを日本語で言うとタンパク質です。
プロテイン=タンパク質です。
栄養学の進んでいたドイツで19世紀末にギリシャ語【プロティオス】Proteiosから、タンパク質を「プロテイン」と名づけました。
ギリシャ語での意味は
【最も大切なもの】
ドイツ語でも英語でも「プロテイン」はタンパク質のことを指す名詞です。
日本では、タンパク質を主成分とするプロテインパウダーを「プロテイン」と呼ぶことが多いです。
昔の人達はタンパク質が人間の体にとってどれだけ大事なものか知っていたんですね。
Contents
タンパク質ってなに?
栄養学には三大栄養素と呼ばれている大切なものがあります。
それが「糖質」「脂質」そして「タンパク質」です。
タンパク質が作るもの
「筋肉」「臓器」「肌」「髪」「爪」「ホルモン」「免疫物質」
ありとあらゆるものがタンパク質からできてるんですね。
人の体の約60%は水分でできていますが、15~20%はタンパク質でできています。

水分を除いたら体の約半分はタンパク質でできてるんですね!
そのほかにも栄養素の運搬を行い、酵素反応、筋収縮防御反応などの化学反応もタンパク質によるものです。
体の中に存在するタンパク質の数は約10万種類もあります

タンパク質は主にアミノ酸が合体して出来てます!
結合したアミノ酸の数 | 呼び方 |
2個 | ジペプチド |
3個 | トリペプチド |
2‐20個 | オリゴペプチド |
それ以上 | ポリペプチド |
一般にアミノ酸の数が50までをポリペプチド、50以上をタンパク質と呼びますが、最近では10個のアミノ酸からなるタンパク質(シニョリン)が発見され、研究されています。
そのため、今後はタンパク質の定義とは何か?と聞かれたときにアミノ酸の数ではなく、
「立体的で変性したり、再生するもの」
がタンパク質であるとなっていくかもしれません
自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの【20種類】
これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。
アミノ酸の組み合わせで筋肉にもなるし、肌や髪にもなります。
たった20種類のアミノ酸で10万種類のたんぱく質ができてるなんてすごいですよね!
また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。
この9種類を【必須アミノ酸】、それ以外の11種類を【非必須アミノ酸】と呼びます。
動物性たんぱく質と食物性たんぱく質の違い
動物性タンパク質
魚介類を含む動物由来のタンパク質のことを指します。肉類、魚介類、卵、乳製品などに含まれています。
植物性タンパク質
植物由来のタンパク質のことを指します。米、小麦、大豆、種類によっては野菜や果物にも含まれているものがあります。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いは?
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。また、体内の吸収率も動物性タンパク質の方が植物性タンパク質よりも高くなっています。
アミノ酸の桶の理論
アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります


アミノ酸がバランスよく含まれている良質なタンパク質かどうかを知る方法の一つに「アミノ酸スコア」があります。アミノ酸スコアは食品に含まれるタンパク質の栄養価を表しており、アミノ酸スコアが100、もしくはそれに近い数値であれば理想とされているアミノ酸組成に近いものと考えられます。
肉や魚、乳製品などの動物性タンパク質食品にはアミノ酸スコア100のものが多く、対して植物性タンパク質食品には数値の低いもの、つまり必須アミノ酸が不足しているものが多くみられることがわかります。
アミノ酸スコア
牛肉(ロース) | 100 |
あじ(生) | 100 |
鶏卵 | 100 |
牛乳 | 100 |
糸引き納豆 | 100 |
キャベツ | 53 |
りんご | 56 |
出典:2010オールガイド五訂増補食品成分表、実教出版
カラダのタンパク質
体タンパク質の動的状態
体の中にあるタンパク質は日々作り替えられています。
合成と分解がくりかえされており、髪や爪は伸びているので新しく作られているのが目に見えますが、筋肉や臓器など目に見えないタンパク質も、古くなった部分は分解されて体外へ排泄され、食事から摂取した新しいタンパク質を利用して再生しています。

見た目は変わらないけど、中身が変わっていくこの状態を「動的平衡」と呼ばれてるよ。
このサイクルは細胞によって期間が違うものの、総たんぱく質の3%が毎日入れ替わっていると言われています。1
これが毎日十分な量のタンパク質を食べなければならない理由です。そして、その必要量は、個人やその人の置かれている状況によってそれぞれ異なってきます。
その量は年齢や体重によって異なりますが、成人で1日250gのタンパク質を合成しています。1
合成に利用されるタンパク質は食事と体内のアミノ酸プールから再利用されます。
したがって、毎日コンスタントに食事から適量のタンパク質を補う必要があるのです。
食事からのタンパク質(アミノ酸)摂取を疎かにし、必要量に対して不足してしまう日が続くと、筋肉量の低下に限らず、健康に対しても様々な影響が考えられます。
1 田中啓二「細胞たんぱく質のリサイクルとその生理的意義」日本栄養・食糧学会誌第64巻第4号221‐228(2011)